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じつは身近な半導体の話|クルマとの関係をゆるっと紹介①

2025.12.12  ケイカフェお知らせ広場, ケイカフェコラム 

「半導体不足で車の納期が延びています」
そんなニュースを見て、「そもそも半導体って何?」「車とどう関係あるの?」と思った方は少なくないはずです。専門的なものに聞こえますが、実は私たちの身のまわり——スマホや家電、そしてクルマの中でも半導体は大活躍しています。

この記事では、むずかしい専門用語はできるだけ使わずに、車と半導体の関係をわかりやすくまとめてご紹介します。
「車のどこに半導体が使われているの?」「電気自動車(EV)になると何が変わるの?」「半導体が不足すると、どうして納期が遅れるの?」といった素朴な疑問に、やさしくお答えしていきます。

ちょっとだけ仕組みを知っておきたい方や、ニュースで半導体不足を耳にして気になった方にも読みやすい内容です。気軽に読める“豆知識ブログ”としてお楽しみください。


自動車と半導体の基本を知る

1-1 半導体とは?車の電子制御に欠かせない存在

結論から言うと、半導体はクルマの“頭脳”と“神経”を担う超重要パーツです。私たちの生活でもスマホ、パソコン、テレビなどに必ず入っていますが、車の中でも例外ではありません。

まず半導体とは、電気を流したり流さなかったりする性質を持つ素材のことで、「電子回路の基板」や「小さなコンピュータ(マイコン)」の中に組み込まれています。車は見た目こそ鉄とガラスのかたまりですが、中身は電子制御の塊。走る・止まる・曲がるを支える数えきれない指令が、半導体を通して処理されています。

Q. 半導体がない車はどうなる?
A. シンプルに言うと「現代の車は動きません」。エンジン制御も、ABSもエアバッグも、ほぼすべてが電子制御のためです。つまり、半導体は“なくても走れる部品”ではなく、“ないと困る部品”の代表格なのです。


1-2 車のどこに半導体が使われているのか(エンジン・安全装備・快適装備)

「車の中のどこに入っているの?」という疑問への答えは、ほぼ全部です。とはいえイメージしやすいよう、主な場所を3つに整理してみましょう。

分類具体的な装備半導体の役割
エンジン・走行系エンジン制御、トランスミッション、ブレーキ車の動きをコントロールする “指令塔”
安全装備系衝突軽減ブレーキ、ABS、エアバッグ周囲を検知し、安全動作を判断する “センサーと脳”
快適装備系ナビ、エアコン、パワーウィンドウ操作を正しく伝え、快適性を保つ “便利機能の調整役”

このように、車内の「動く」「守る」「快適にする」すべてを支えるために半導体が使われています。とくに最近は安全支援装備が標準化されているため、昔の車より半導体の数が飛躍的に増えています。

実際、軽自動車でも数百個、EVでは数千個もの半導体が搭載されることも珍しくなくなりました。「車=電子機器」と言っても過言ではなく、その中核を担っているのが半導体なのです。


なぜ現代の自動車は半導体依存度が高いのか

理由は大きく3つあります。

  1. 安全装備が増えたから
    衝突軽減ブレーキやレーンキープなど、事故を防ぐためのセンサーが多く搭載されています。これらは半導体なしでは動作できません。
  2. 快適機能が増え、電子化が進んだから
    ナビ、デジタルメーター、エアコンの自動制御など、便利機能がどんどん電子化しています。
  3. EV(電気自動車)化が進んだため
    EVはバッテリー管理、モーター制御、充電量の監視など、すべてが電子制御。ガソリン車より半導体が圧倒的に多い構造です。

Q. ガソリン車と比べて、今の車はどれくらい電子化されたの?
A. 昔は「機械で動く車」でしたが、今は「コンピュータで動く車」になったと言われるほど。半導体依存度は年々高まっています。


EVとガソリン車で「半導体の使われ方」がどう違う?

ガソリン車とEVで必要な半導体の“量”が違う理由

結論として、EVはガソリン車より多くの半導体を使用します。その理由は、EVの構造が“ほぼすべて電子制御”で成り立っているからです。

ガソリン車は、エンジンが機械式の仕組みで動く部分も多く、電子制御は「補助」的な役割。しかしEVは、モーターの回転からバッテリーの温度調整まで、電子制御が中心です。そのため、搭載される半導体の数が自然と増えていきます。

とくに、

  • モーターをどれだけ回すか
  • バッテリーの発熱をどう抑えるか
  • 充電の最適なタイミングはいつか

といった“細かい制御”も半導体が担当しており、EVが進化するほどその数は増加します。


EVの航続距離・充電制御を支える半導体

「EVの航続距離(どれだけ走れるか)」や「充電スピード」が気になるという声は多いですが、これらを支えているのも半導体です。

まずEVにはBMS(バッテリー・マネジメント・システム)という頭脳があり、バッテリーの状態を常に監視しながら「安全に・長く使えるよう」調整してくれます。このBMSこそ、半導体なしでは動かない装置です。

さらに、急速充電に対応するためには、電圧や温度の調整、最適な電力配分などをリアルタイムで制御する必要があります。これにも複数のセンサーと半導体がかかわっており、EVが安全に走れる背景には非常に高度な電子技術があるのです。


EV化が進むほど半導体需要が増える“構造的理由”

EVが普及するほど半導体が必要になるのは、単に「電気で走るから」という理由だけではありません。実は、EVという仕組みそのものと、社会全体の動きの両方が関係しています。

EVはバッテリーとモーターを細かく制御しながら走行するため、その分たくさんの半導体が使われます。さらに、安全装備は年々高度化しており、自動運転レベルが上がれば上がるほど、車が処理すべき情報量も膨大になります。こうした“車の進化”に半導体は欠かせません。

また、EVが増えると街中や家庭で使われる充電器(インフラ)にも半導体が必要になります。車だけでなく、充電設備、電力ネットワークなど“周辺の仕組み”でも半導体が必要になるため、需要が減るどころかむしろ増え続ける構造になっているのです。

つまり、半導体需要の増加は一時的なニュースではなく、社会全体の電動化が進むことで必然的に高まっていくもの。今後もその重要度はますます大きくなると考えられています。


車載半導体が不足すると何が起きる?

車両生産ラインは“1つの部品欠品”で止まる仕組み

車の生産ラインは、数万点に及ぶパーツが時間通りに届くことで成り立っています。このため、どれか1つでも必要な部品が欠けると、その車は完成させることができません。 特に半導体はほかの部品で代用しにくく、調達が遅れるとライン全体の生産計画に影響が出やすい部品です。

たとえば、「ブレーキ制御に使う半導体が不足した」という状況になると、その他の部品がどれだけ揃っていても、そのグレードの生産ができなくなることがあります。メーカーによっては一時的にラインを止めたり、生産量を調整したりする判断を取ることもあります。

このように、車作りは“1つの部品が欠けるだけで全体が動かなくなる”ほど精密な工程であり、半導体不足の影響が大きい理由もここにあります。


半導体不足が車の納期に直結する理由

納期遅延のニュースが多い理由は、シンプルに言えば「代わりが効かない部品だから」です。

  • 車載半導体は自動車専用設計で作られている
  • 他のメーカーのものに簡単に置き換えられない
  • 高温・振動など過酷な環境に耐える必要がある

このため、一つ欠品すると車両全体が出荷できなくなり、納期遅れが発生します。人気車種や人気グレードは受注が集中するため、とくに影響を受けやすくなります。


安全装備・メーター・スマートキーなど“代替不可”の部品が多い

現代の車には「電子制御の装備」が非常に多く、これらは全て半導体に依存しています。たとえば、

  • 衝突軽減ブレーキ
  • ABS(急ブレーキ時の制御)
  • デジタルメーター
  • スマートキー
  • 電動パーキングブレーキ

などは、半導体が正常に動作しなければ使えません。ひとつ壊れるだけでも、安全性に直結するため「その部品が入るまで完成させられない」という現実が生まれます。

Q. “なくても動く装備”もあるのでは?
A. 安全に関わる装備は法律上「必須」であるケースが多く、メーカー側は妥協できません。だからこそ、半導体不足は車づくり全体に大きな影響を与えるのです。


まとめ

半導体と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、実はクルマにとっては欠かせない“縁の下の力持ち”のような存在です。エンジンの制御や安全装備の作動、EVのバッテリー管理など、今の車はあらゆる場面で半導体の働きに支えられています。もはや現代の車は、半導体なしでは成り立たないと言っても過言ではありません。

そして、この半導体はほかの部品で代替することが難しいため、不足すると生産ラインが止まったり、納期が延びたりと、大きな影響が出ることもあります。

今回の記事が、そんな「車と半導体の関係」を少しでもイメージしやすくする手助けになればうれしく思います。車選びの参考にしたり、ニュースの背景を理解するヒントにしたりと、気軽に役立てていただけると幸いです。